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駐車場機器×サイネージ連携で進化する誘導・安全対策

駐車場機器×サイネージ連携で進化する誘導・安全対策

  近年、カメラやセンサーとデジタルサイネージの融合が進み、交通や駐車場の現場における課題をよりスマートに解決できるソリューションが注目を集めています。特に大型の駐車場、トラックバース、BRT(バス高速輸送システム)といった高度な管理が求められる施設では、リアルタイム性・正確性・柔軟な案内が不可欠です。本記事では、カメラやセンサーとサイネージの連携によってどのように現場の課題を解決できるのか、具体的な活用シーンをご紹介します。 目次 1.サイネージとの連携がもたらす効果 2.サイネージ活用例 2.1 大型駐車場でのサイネージ活用例 2.2 トラックバースでの活用例 2.3 サービスエリア・パーキングエリアでの活用例 3.導入メリットと今後の展望 4.まとめ   1.サイネージとの連携がもたらす効果 従来の静的な看板では簡単に表示情報を変更することが出来ません。また、サイネージ単体でも定時案内や静的な表示に限られることが多くなります。カメラやセンサーなど駐車場機器と連携することで、下記のような動的表示やリアルタイムな誘導が可能になります。• 満空状況の自動検知と即時表示• 車両ナンバー認識による特定車両案内• 危険行動(逆走・不法駐車など)の即時警告• 不正行為車両のリアルタイム投影による抑止• 車種・用途別の誘導表示現状は開発中の機能もありますが、駐車場機器とデジタルサイネージの組み合わせは様々な可能性を持っています。 それでは、具体的な現場での活用例をご紹介します. 2.サイネージ活用例 2.1 大型駐車場でのサイネージ活用例 【課題1】フロア別・エリア別の空き情報が伝わりづらい ▶ 解決策:ゾーン連動型サイネージでエリア・フロア誘導を最適化センサーやカメラで各ゾーンの空車状況を検知し、入口やフロアごとに設置したサイネージに即時反映。「○階 空きあり」「西ゾーン 満車/東ゾーン 空車あり」など、視覚的かつ直感的な案内が可能になります。 導入例:某大型商業施設の駐車場では、複数のエリアに分かれたゾーンにサイネージを組み込んだ自立サインを設置し、満空情報をリアルタイムに反映。利用者の駐車行動がスムーズになり、滞留車の削減と回転率の向上にが期待できます。複数エリアの分岐点に設置したサイネージにより、Aエリアが満車の場合はBエリアへの誘導のみ表示するなど、利用者が迷いにくい案内をリアルタイムに行うことが出来ます。       【課題2】混雑時間帯の渋滞・滞留 ▶ 解決策:満車ゾーンへの進入抑止・分散混雑状況を検知したら、該当ゾーン前のサイネージに「この先満車/右折で別ゾーンへ」などと表示。滞留発生を未然に防ぎ、現場オペレーションの負担軽減にもつながります。   2.2 トラックバースでの活用例 物流施設のトラックバースでは、入退場の正確なコントロールと安全性の確保が求められます。 【課題1】到着順の管理が煩雑/ドライバーが誤ったバースへ進入 ▶ 解決策:ナンバープレート認識とサイネージによるバース誘導 車両のナンバー認識で受付・予約情報と連携し、「○○運輸様はB-3へお進みください」といった個別案内をサイネージに表示。誤進入の防止と業務効率の向上。 【課題2】安全確認の目視が難しい ▶ 解決策:AIカメラで人の立入りを検知し、サイネージで即時注意喚起 ドライバーがバックで接車中に、作業者が死角に入った場合など、AIカメラが異常を検知。現地サイネージに「立入り注意!」「接車中は近づかないでください」といった警告を即表示することで、事故リスクを軽減。 【課題3】周辺道路の安全管理...

駐車場向けデジタルサイネージ選びのポイント

駐車場向けデジタルサイネージ選びのポイント

  駐車場運営において、ドライバーの誘導や注意喚起、料金案内を直感的に分かりやすくすることは、利便性が高く利用者にとってストレスの少ない駐車場として収益に影響します。駐車場の混雑度など状況に併せて適切な案内をすることがより快適な駐車場づくりにおいて重要ですが、通常の看板だと状況にあわせての変更が難しくなります。デジタルサイネージは、状況に併せてフレキシブルに動的情報を表示出来るという点で、駐車場の誘導・案内にも活用できます。しかし、屋外設置となると耐候性や視認性などの課題をクリアする必要があります。また、駐車場ならではの機器連携ができるかどうかも重要になってきます。本記事では、駐車場向けデジタルサイネージを選ぶ際の重要なポイントを詳しく解説します。 目次 1. 屋外対応デジタルサイネージに必要な基本スペック 1.1耐候性(防水・防塵性能) 1.2 耐温度性能 2.視認性担保に必要な仕様 2.1 明るさ(輝度) 2.2 視認距離とサイズ 3.駐車場機器との連携 4.まとめ   1. 屋外対応デジタルサイネージに必要な基本スペック 駐車場に設置するとなると、屋外で使用するケースが多くなります。屋外デジタルサイネージには、まず以下の基本スペックが必要となります。 1.1耐候性(防水・防塵性能) 屋外では雨風や砂埃の影響を受けるため、防水・防塵性能のレベルがどの程度かは確認しておく必要があります。これは国際規格で定められているIP規格(侵入に対する保護規格)で確認することが出来ます。IP規格(Ingress Protection Code)は、電子機器や電気機器の防塵・防水性能を示す国際規格(IEC 60529)です。IPコードは「IPXX」の形式で表され、XXの2桁の数字がそれぞれ異なる保護性能を示します。等級は2つの数字で構成され、左側が人体や固形物に対する保護レベル、右側が水の侵入に対する保護レベルを示しています。いずれかの等級を省略する場合は、省略部分を「X」と表記します。 IP規格は、屋外デジタルサイネージや駐車場機器の耐久性を示す際にも重要な基準です。 駐車場のデジタルサイネージは屋外に設置するケースがおおいため、IP65以上の防水・防塵性能を持つ製品を選ぶのが望ましいです。 IP65は防塵性能が完全密封されており、低圧の水流にも耐えられる性能をもっています。より高い耐候性を求める場合は、IP66やIP67対応の製品も検討しましょう。 また、湿気や結露の発生を防ぐために、内部の空気循環を最適化する防湿機能が搭載されたモデルを選ぶと、長期間の安定稼働が期待できます。特に梅雨や冬場など、湿度が変化しやすい環境では防湿対策が施されたサイネージが推奨されます。   1.2 耐温度性能 冬の寒冷地や夏の高温地域では、デジタルサイネージの動作温度範囲が適しているかを確認する必要があります。一般的には、-20℃から50℃の範囲で動作する製品が推奨されますが、極寒地域ではヒーター機能付き、暑熱地域では冷却ファンや空冷機能を備えた製品を選ぶと安定的な稼働が可能となります。特に直射日光が当たる場所では、ディスプレイ内部の温度が急上昇することがあります。そのため、温度管理機能が搭載された製品を選ぶと、故障リスクを低減できます。高温環境での長時間使用では、放熱対策が施されたモデルの選定が重要になります。   3. 視認性担保に必要な仕様 2.1 明るさ(輝度) 輝度とは、ある方向における光の強さ(明るさ)を示す指標で、人の目で見た明るさを表します。単位は カンデラ毎平方メートル(cd/m²) で表されます。 屋外環境では日光の影響を受けるため、高輝度ディスプレイでないと視認性が落ちてしまいます。最低でも2,500cd/m²(カンデラ毎平方メートル)以上の輝度を持つ製品を選びましょう。特に直射日光が当たる場所では、4,000cd/m²以上の輝度が推奨されます。 また、高輝度のディスプレイでも視野角が狭いと見る角度によっては暗くなったり、色が変わって視認性が落ちることがあります。目的や設置環境に応じて輝度だけでなく視野角も考慮する必要があります。デジタルサイネージやディスプレイの選定時には、環境に応じた適切な輝度や視野角を選定しましょう。また、周囲や環境の明るさに応じて輝度調整ができるものを選ぶと良いでしょう。夜間は視認性を保ちつつ、消費電力を抑えるために輝度を下げるなどの調整が可能になります。明るさ自動検知機能やタイマー機能がある、または外付けタイマーとの連携で輝度を調節できる機能があると便利です。   2.2 視認距離とサイズ 駐車場の規模に応じて適切なディスプレイサイズを選ぶことが重要です。例えば、50m先から視認可能な場合は55インチ以上、100m先からの視認を求める場合は75インチ以上のサイズが適しています。また、ディスプレイに表示する文字やアイコンの大きさ、注意を引く動きなどコンテンツの作り方も重要になってきます。駐車場向けデジタルサイネージのコンテンツは、車両誘導・案内・注意喚起をスムーズに行えるよう運転手や歩行者が瞬時に理解できるデザインが求められます。   3.駐車場機器との連携 駐車場向けデジタルサイネージは、駐車場機器やシステムと連携することで、リアルタイム情報を提供し、スムーズな誘導・案内・注意喚起を実現できます。まずは他の駐車場システムと連携することでどのように活用できるのか例を掲載していきます。 3.1 満空管理システムとの連携...